
お父さんは心配性 集英社「りぼん」にて1984年11月号から連載開始、コミックは全6巻、1994年にはテレビ朝日系列でドラマ化。
漫画のあらすじ
妻に先立たれた中年サラリーマン・佐々木光太郎が、高校生の娘・佐々木典子を心配するあまりとんでもないことをしでかす、破天荒なギャグマンガ。

当時小学生だったわたし、ちょうど「りぼん」や「なかよし」を愛読する頃である。スイミングスクールで友達と、この「お父さんは心配症」や「ちびまるこちゃん」を読んでゲラゲラ笑っていた。
特にこのお父さんのセリフはツボにはまり、頭にこびりついて今でも離れない。
「いいかね典子・・男と女のあひだには・・ふかくてくらい耳の穴」

ほんと、わけわかんない!!
でもこのくだらなさに感銘を受け、「わたしもこんなくだらない漫画が描きたい!」と思いました。
漫画のみどころ
この漫画のみどころは、なんとも破天荒であるところ。
この絵の稚拙さがすごいでしょ。よくこの絵で集英社という超メジャーがデビューを許可したなと思う。多分その辺の漫画好き中学生のほうが上手いだろう。
それを許可するほど、中身が破天荒で面白いのだ。

どれだけ破天荒でめちゃくちゃか、第1巻第5話「血戦!!かるた取りの巻」から紹介しよう。
第1巻、典子がこっそりと北野君と初詣デートに出ようとするが、電話の会話を盗聴され、お父さんについてこられる。友達と合流し、みんなでかるた遊びをするのだがー

鼻血でかるたを取り合うというー今見ると気持ち悪いくらいバカみたいー
オチはみんな瀕死状態で病院に担ぎ込まれる・・・。
漫画家は描きながらだんだんうまくなっていくもので、最終巻になると絵が上達していたりするのだが、岡田あーみんの場合はそれが全く無く、第6巻ではむしろもっと雑になっているのでは!?と思う。

普通の漫画家にとったら下書き以下のレベルでしょ・・。
気になるラストシーン

最終話、お父さんは「安井さん」という子持ちの未亡人と結婚することに。

お父さんと登場人物一同で「みなさん長い間ほんとにありがとうございました!お元気で!さようなら」と挨拶をしたあとー

ひと騒ぎして終わるーというラストでした!
漫画家 岡田あーみんについて
作者である「岡田あーみん」はウィキペディアによると、1965年沖縄県生まれ、1997年から活動をしておらず、消息は不明。ネット検索すると超絶美人と言う噂も。
「あーみん」という名前は、松任谷由実のファンであることからつけたペンネームということで、本名で生活しているのであれば新しい情報はつかめない・・まるで歌手のAdoさんみたい。
漫画の最終話に自分を描いているが、どうやら酒は好きらしい。

最終巻では余白ページにいろいろおまけの話が載っており、「あーみんの思いであれこれ」というエピソード漫画の中で、しめきりに追われ切羽詰まっている様子が描かれている。

この絵でどうやったら時間が足りなくなるんだろう、と思うが・・・。
ここまでヒットした面白さは、ただただ雑に描かれたのではなく、ひねり出されたうえでの芸術作品だったのである。
コメント