部屋においでよ 著者:原 秀則 第1巻1991年発行(1995年TBSでドラマ化)
小学館ヤングサンデーコミックス全7巻
漫画のあらすじ
居酒屋「ちゃらんぽらん」でピアニストを目指す水沢文(あや)とカメラ好きの大学生、塩村ミキオは出会う。酒の勢いで意気投合したふたりは文の部屋で一夜を過ごす。
その日からミキオは文の部屋を訪れることが多くなり、同棲のような日々を過ごす。楽しい恋人同士の時間を送っていたが、カメラの才能が見いだせない自分に苛立ちを感じているミキオと、ピアニストとしての才能を開花させていく文の間には溝が生じていき、とうとう文はミキオに「わたしたち、しばらく会わないほうがいいかもしれない・・」と伝える。
その後、2人それぞれの道を歩み始め、ミキオの才能も開花し始めるー。
だけどミキオの中では文さんが大切な人として常に存在していたー
仕事が順調になってきたミキオ。昔の自分とは違う、今なら文さんの写真が撮れるかもしれない、
文さんの写真を撮りたい―と、かつて通った文の部屋に再び訪れるミキオ。文の方もミキオのことを忘れられずにいた。思いあっていた二人は「あの頃のようにー」と再び抱きしめあう。
一度失敗を経験したふたり、これからはきっとうまくいくー
と思いきや、二人の思いはまた微妙にずれていくのであったー。
漫画の見どころ!
原秀則さんの絵、すばらし~い!!大好き!
生き生きとした人体。
生き生きとした手。
生き生きとした表情ー
逆に切ない表情ー
見どころは絵の美しさと切なすぎるラストですな。
せつない結末とラストシーン
せっかく復縁した二人なのだけど、文の様子が少しずつおかしくなってくる。
これまではどちらかというとミキオが文を追いかける感じだったのだが、愛に不安を感じ始めた文が逆に追いかけるかたちとなる。
こうなると負のスパイラル。
仕事が乗りに乗っているミキオにとって、今一番大切なのは写真を撮ること。
不安になる文、応えられないミキオ、さらに不安になる文ー
ミキオの気持ちはすっかり冷めてしまい、文のことが重荷でしかなくなってしまう。
ミキオからはっきりと「もう終わりにしよう」と告げられた文。
「やっと言ってくれたね。苦しかった・・この1カ月ずーっと、でも、やっと・・・。」
無理して笑う文だったが、涙が出て止まらないのだった。
そして翌朝、2人でコーヒーを飲んだ後、ミキオは部屋を出る。
このあと、玄関の扉は「がちゃん」と閉まりーお別れ。
またそれぞれの道を進んでゆくー
セカンドアルバムを発表した文はピアノが弾ける広い部屋へ引っ越すことにー。
最後の掃除をして、部屋を出ていく文。
「部屋」の中に、2人の思い出がたくさん詰まった感がある面白いラスト。
おまけ
最近は原秀則作品を読んでいないけど、「しょうもない僕らの恋愛論」と言う作品が2021年に出ていて、2023年1月にドラマ化していたらしい!
ずいぶん絵の感じが変わりましたね!
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