予期できない漫画「離婚予定日」粕谷紀子

漫画「離婚予定日」

2001年より漫画雑誌「YOU」(集英社)連載開始。コミックはYOU漫画文庫にて全11巻。
あまりにも破天荒でありえない展開と、主人公:早紀の夫:秀行の行動に腹が立ち、途中まで読んでそれきりになっていたのだが、尊敬するホリエモンが「面白くて一気に読んだ」と紹介していたのであらためて全巻購入し読破しました。

漫画のあらすじ

第1巻 怠け者の専業主婦が突然離婚をつきつけられる

ずぼらな専業主婦:鮎川早紀、専業主婦でありながら自炊もあまりせず、弁当を買って皿に移すという体たらく。ある日、夫の秀行から突然の離婚をつきつけられる。

秀行は会社をやめて「映画をつくる」という夢を追いたい、早紀に対して愛情はもうない、とのこと。3年を再出発の準備期間として、3年後の10月3日に離婚しようと宣告される。

早紀は、主婦の仕事の大変さを秀行に実感してもらおうという作戦でプチ旅行に出るが、家事に困った秀行に勤務先のスタッフ「日野原玲子」という悪女が手を差し伸べる。

普段一緒に過ごす時間がない娘と会話することで、早紀の家事に対するずぼらさが露見、早紀の目的とは裏腹に「娘は早紀に任せられない」と強く思わせてしまうのだった。
離婚届にもさっさと署名させてしまう。

やり直す可能性を諦めた早紀はパートで病院受付の仕事を始め、いつかは娘と二人で生きていけるように、と懸命に努力する。

しかし、仕事はなかなかうまくいかず、受付で知り合った真田というイケメンと仲良しになる。

真田にはキャリアウーマンの妻がいるが、おおらかな早紀に惹かれ、ふたりは体の関係のない、ランチ友達になる。
一方、秀行は日野原玲子とずぶずぶの関係に。おいおい。

玲子は貪欲に愛を求めるやばい女だった。なんと、かつて真田も一時は玲子の毒牙にかかったことがあった。
早紀の夫との関係を知り、他人の家庭をこわすのはよせ、と忠告する真田。
こんな女に正論ぶつけたところで聞くわけないじゃん。

「めちゃくちゃにしてやる!」心に誓う玲子であった。

第2巻 早紀 資格を取得・PTA会長に就任

玲子が早紀夫婦と真田夫婦をめちゃくちゃにしてやろうと行動している中ー
早紀は秀行の勧めで医療事務の資格取得への挑戦を始め、
娘の小学校ではおっちょこちょいな性格から、誤ってPTAの会長に立候補し就任する。
ある日、秀行の父が倒れて2人で実家に。学歴優先の冷たい家族に囲まれる秀行を持ち前のおおらかさで慰める早紀。

こんな早紀の良さに気づかないなめくさった秀行は、早紀を陥れたいPTA副会長からのたれこみで浮気現場を発見されてしまう。

玲子は秀行に愛想をつかし、秀行はフラれ、パンツいっちょで家から追い出されてしまう。
さらに会社では秀行が玲子をレイプしたということになり、左遷させられる。
帰宅すると早紀に逆ギレする秀行。こいつ最低。

この頃、玲子の行動で真田夫婦はめちゃくちゃになっていた。
妻と早紀を守るため、自分を犠牲にし玲子とともに命を断とうとする真田。間一髪で真田の妻が阻止、真田夫妻には平和が戻った―。
真田妻は、早紀に「許せない気持ちはわかるが、まずは夫が自分に戻ってくるよう努力してみよう」と助言、娘:真澄のためにも頑張ってみよう!と心に誓う早紀なのであった。

第3巻 秀行 離婚を考え直し始める

浮気の一件で会社の地下倉庫に移動させられた秀行。しかし真田妻の助言通り、笑顔でやさしく迎える早紀に助けられ、復帰する。秀行は離婚を考え直し始めるー。

平和そうな二人をにらみつける玲子。とうとう娘の真澄にまで手を出す。
怒った秀行は「俺の家族を傷つけたらお前を殺す!」と言い放つのだった。

第4巻 玲子が自宅に転がり込んでくる

秀行と縁が切れたと思った玲子が突然自宅に転がり込んでくる。ストーカー男から逃げてきたのだ。恐怖におびえる玲子を追い出すことはできず、一緒に過ごすうちに情がうつる早紀。ストーカーから完全に逃げるために、みんなで引っ越そうと予定を立てた矢先、玲子は鮎川家の金を持ち出してとんずらしたのだった。

第5巻 兄夫婦離婚 ダイちゃんが自宅に転がり込んでくる

第4巻中に早紀の兄にも手を出していた玲子。兄の嫁は早紀と幼馴染の霧子。
もともと仕事欲が強く、子供に愛着の無かった霧子は、浮気発覚したことをきっかけにさっさと離婚、子供:ダイちゃんを残して立ち去ってしまう。

親戚にダイちゃんの引き取り手はなく、結局早紀が面倒を見ることにー。
暴れん坊のダイちゃんに家庭は荒らされまくり。そんな中、玲子と実業家の大物・須藤毅の結婚招待状が届く。祝福に行く超絶お人よしの早紀ー。

玲ちゃんがとうとう幸せになるー。しかしその直後、結婚式に乗り込んできたストーカーが「誰にもやらない」と、包丁を取り出してー。

第6巻 玲子の死 そして須藤は

玲子は刺され、死亡してしまう。

そしてなぜか須藤と早紀が玲子の実家に行くことに。

旅行中に早紀のおおらかさに惹かれ、須藤も早紀に行為を持つ。
早紀モテモテ。

秀行も本当は早紀に気が戻っているはずなのに・・・表現が最悪。

あまりにも腹が立った早紀、「約束通り10月3日に離婚しましょう」と秀行に泣いて伝えたのだった

第7巻 伊沙子現る

早紀のPTA会長などの功績に目を付けた地元民が早紀に区議会議員選挙に出馬してほしいと依頼、早紀はこれに当選すれば収入も安定し、秀行も見直してくれるかもしれないーと秀行には内緒で依頼を受ける。
しかし結局ばれて、秀行の逆鱗に触れる。「俺の存在を軽んじた」と。どうゆう理由!?
実家に帰るとそこには、伊沙子が。

これがかなりの曲者。伊沙子は親同士の縁で知り合った仲。初めて秀行に出会ってから秀行に恋をし、虎視眈々とチャンスを狙っていたのだ。
早紀の選挙当日は離婚予定日の日曜日。早紀は当選を信じている。「自分の選挙に行く」というつもりで「区役所に行く」と言ったが、秀行は「離婚届出してくる!」という意味にとらえた。あほ。

くやしがる秀行は、早紀より先に、娘の親権を自分と記載して出してやる!!と区役所に離婚届を提出する。
早紀の選挙は落選ー
素直に「離婚をやめて」と秀行に伝えるため自宅に急ぐ。

意地を張っていたが二人の気持ちは同じだった。
秀行は早紀の発言に喜ぶ。遅いんだよ!

秀行は提出した離婚届が受理されないよう、あわてて区役所に走るが翌月曜日に受領となり二人は離婚が成立してしまう。
半年後にまた婚姻届けをしよう、となったが、その間に伊沙子の策略で気持ちは入れ違い、早紀は決別を決意。甥っ子のダイくんを連れ、娘の真澄と結婚指輪を置いて家を出ていくー
ということで、第7巻で離婚は完了である。

第8巻 伊沙子が自殺を図る

伊沙子の策略に気づき、秀行は早紀の気持ちを知り、伊沙子を拒む。
悔しがる伊沙子。

こっわ。楳図かずおの漫画かよ・・。
やっと再会した早紀と秀行だったのだが・・・

その後、狂った伊沙子は自殺を図り、見捨てられない秀行は看病にあたる。

第9巻 須堂再び現る

秀行がいないと自殺を図ってしまう伊沙子。秀行は伊沙子と共にすることを約束する。
早紀も、それが良いと同意する。お前らキャンディとテリイとスザナかよ。

そんな頃、早紀を危険な目にあわせないために身を潜めていた須堂が再び現れ、早紀に急接近する。

10巻・11巻

須藤と早紀は結局一緒になり、伊沙子と秀行も幸せになるー。
ホリエモンの言っていた予期せぬ結果は最終巻と言うより第7巻・第8巻あたりだったかもな。

漫画の感想

リアルな感情描写も多いんだけど、だいたいが破天荒すぎる展開。
でももともと「YOU漫画文庫」の紹介文で「専業主婦の自立を描いたヒューマンコメディー」とあるから仕方ないか!

漫画家 粕谷紀子について

1952年生まれ、1975年デビュー。デビュー直後の絵の方が女の子がかわいいなあ。
代表作はこの「離婚予定日」と「私はシャドウ」で両方ともテレビドラマ化されている。

コメント

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