漫画「父・たけしの死」③~前夜のできごと~

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漫画「父・たけしの死③」のあとがき

2019年4月のエピソード|大(小学3年)吟(小学1年)
待合室で母から聞いた前夜の話はー父がうるさくする子供たちに「ぶっ殺すぞ!」と怒鳴ったーとのこと。
普段は温厚で怒鳴ることはまず無い、あるとすればよほどこちらが非常識なことをやらかした時だけだ。
そんな父が怒鳴った、さらに「ぶっ殺す」なんて単語を使うなんてーかなりの衝撃でした。

母曰く、今回のことは初めてと言うわけでもなく、以前から少しずつ怒りやすくなっていたー以前のたけしさんとは違ってきていたーとのことでした。

年を取ると怒りやすくなるーと言われるけれど、本当のことなんだな、と思いました。

人間の怒りは脳の「大脳辺縁系」で生じ、怒りを抑制する機能は「前頭葉」が担っているのですが、高齢になると脳の前頭葉が収縮してしまい、判断力や感情の抑制力が低下していくーとのことです。

母は、その前夜の出来事によって今回のことが起こったのではないかーとのことでした。
「いやいや、そんなこと無いでしょ。」なんて答えた気がしますが、確かに怒りや不安などのストレスは交感神経の活動を活発にさせ、交感神経には心臓の鼓動を多くし、血圧を収縮させる働きがあるため、血圧はあがるようです。
ただ、漫画のようにブチブチブチッとなるのであれば、怒りの瞬間に発症すると思われるので、やっぱり原因とは違うのではないかーと思います。

1時間ほど待合室で母とおしゃべりをし、その後、集中治療室(ICU)に案内されました。
病室で寝ている父ー見慣れている父の顔ですが、あらためて、目を閉じている父の顔をすみからすみまでマジマジと見つめてしまいました。
母が病院の看護師から「こんなきれいな足をした患者さんははじめて」と言われたそう。
父は仕事から帰ったら必ず風呂場でまず足を洗い、それから浴衣に着替え、風呂上りには指先にメンタームを塗るーというきちんとした人でしたからー。

病室でしばらく時間を過ごしている間、時間は夕方の16時くらいだったでしょうか、病室には夕日が差し込んでいました。
残してきてしまった仕事を片付けに会社に戻りたいけれど、休憩時間ではおさまらない空白の時間をどう処理していいかわからず、あきらめー休み明け早朝出勤確定。
まさか、まさかこんなことになるなんてーという気持ちでいっぱいのゴールデンウィークの幕開けでした。

※漫画で着物を着ている父について:父は夏の夜には浴衣・休日には着物を着る人でした。それが当たり前だったので不思議には思っていなかったけれど、考えてみれば珍しいですよね。(洗濯が面倒そう・・。)

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