漫画「父・たけしの死」⑤~父のように~

漫画「父・たけしの死」⑤

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漫画「父・たけしの死⑤」のあとがき

2019年4月のエピソード|大(小学3年)吟(小学1年)

2019年4月29日、深夜の1時半過ぎに母から連絡があり病院にかけつけました。
ドラマなどでよく見る、最後にはピーっと波形がなくなるモニター、正確には生体情報モニターというらしいが、これが示していた数字が、2日前は3桁だったのだが、かけつけたときは「8」と「0」という数字、もう最後であることを示していました。

病院の外には、緊急を知らせるための「ピコーンピコーン」という音がなってはやみ、なってはやみを繰り返していました。この音は今でも忘れられません。
羽村市に住んでいた妹はゴールデンウィークの旅行に出る予定だったのですが、急遽キャンセルし、病院に到着していました。

そして4時2分、ご臨終となりました。

病院の遺体安置室でしばらく過ごし、葬儀屋を手配し、父をマンションに連れて帰りました。
ゴールデンウィークの平和な午前、明るい中を車で家に帰りながら、2日前までは普通に父がいたのにーという不思議な気持ちで風景を眺めていました。

4月30日(火)は妹と父の遺体のそばで二人で献杯し、呑みながらおしゃべりをしました。

そして翌日5月1日(水)令和元年のスタートが葬儀というとんでもない出だしとなりました。

お世話になっていた父の三味線のお師匠さんと、浅草観光ボランティア以外は親族のみのひっそりとしたお葬式をあげ、火葬場へー
妹が遺骨を入れるための小さな瓶を3つ用意してくれ、母とわたしたちでそれぞれ、お骨をわけてもらいました。

温厚で、仕事ができて、身の回りもきれいで、冗談が好きで、歌もうまくて、絵もうまくて、特に変な嗜好もなく、おそらく女性にも持てたと思われるが浮気していた様子もなく(なので男性が当たり前のように浮気をするということは大人になってから知った)、酒を楽しみ、たばこも楽しみ、三味線や相撲を楽しみ、すべてにおいてスマートだった父。
欠点をあげるとすればいびきが大きかったということくらい。

最後に入院していた病院では看護師さんに「こんなに足のきれいな人は初めてです」と言われました。

そして今回の死ー
人生をのんびり楽しんでいる中、72歳で一瞬にして他界、その一瞬の痛みはわからないけれど、長く苦しむことなく、室内で傷もなく倒れ、あの世へ旅立ったー
死に方も限りなくスマートで父らしいと思いました。


死後も、遺品や、父の死を悲しむ声などで、あらためて偉人さを思い知らされ「・・・・・その父の娘がこれか・・・・。」と、しょぼい自分に少し申し訳ない気持ちにりました。

なかなか「父のように!」とはいきませんが、ちょこっとは近づけるよう、「短気は損気」にならないよう、頑張っていきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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